ニュー・ラナーク――ロバート・オウエンが形づくった工場村
ニュー・ラナークでは、産業生産、集落計画、労働者の福利がどのように結びついたかを一つの場所で追えます。1785年、クライド滝の近くに設立され、水車を動力とする綿工場を中心に発展しました。工場が操業したのは1786年から1968年までですが、世界遺産は産業遺構だけではありません。村の住宅、教育施設、そしてロバート・オウエンに結びつく社会思想も含めて保存されています。
オウエンは19世紀初頭、デイヴィッド・デイルの取り組みを基盤に、ニュー・ラナークを模範的な産業共同体へと整えました。彼が実践した独自の温情主義的な経営は、建築と計画を住民の身体的・精神的な生活への配慮と結びつけています。堂々とした工場、ゆとりある労働者住宅、教育研究所、学校を歩くと、その統合された考え方が見えてきます。複数の集落にまたがる採掘・製造・輸送の景観を示すアイアンブリッジ峡谷とは、焦点の置き方が異なります。
村の外観は、物的証拠、考古学資料、文書史料をもとに、19世紀初頭の姿に近く保たれています。保存修復では可能な限り伝統的な素材と技法、当初の設計が用いられ、元来の堰、水路、導水路も現在なお使われています。産業史だけでなく、進歩的教育、工場改革、人道的な労働慣行、田園都市構想にもつながる場所です。ラナークからバス、タクシー、標識付きの徒歩道で向かう半日規模の訪問が考えやすく、ビジター・アトラクションの入場を事前に確認できます。
