ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ――モザイクが映すローマの大農園
シチリアの農村を支配したローマの仕組みを、豪華な邸宅とともに読み取れるのがヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレです。ユネスコは、この邸宅を西ローマ帝国の農村経済を支えた大規模な領地の中心と位置付けています。したがって、価値は装飾的な建物だけにあるのではありません。ローマの権力と富が、農地の利用・管理を通じてどのように表現されたかを示す遺産です。
最も鮮明な特徴は、モザイク装飾の圧倒的な広がりでしょう。ほぼすべての部屋がモザイクで覆われ、内部の装飾プログラムが理解の中心になります。ユネスコは、その豊かさと質を、ローマ世界で原位置に残るモザイクとして最も優れたものと説明しています。広い建物群、庭園、水盤、地中海各地の建築的伝統を計画的に組み合わせたヴィッラ・アドリアーナとは、主題の置き方が異なります。
提供されたユネスコの説明では、この邸宅は同種の施設の中でも最も豪華なものの一つとされています。領地の中心、農村経済、洗練された建築、ほぼ全面的に保存されたモザイクが、農村とエリートの住居を一つの原位置で結びます。1997年、基準(i)(ii)(iii)による文化遺産として登録されました。道路網や現在も営まれる農業景観を訪ねる場所ではなく、ローマの田園、権力者の邸宅、モザイクの関係に焦点を当てる遺産です。
