パレルモ、チェファル、モンレアーレ――文化交流が刻まれた建築群
この遺産は、ノルマン王国シチリアに生まれた建築・芸術の統合を、9件の構成資産によって伝えています。7件はパレルモにあり、王宮とパラティーナ礼拝堂、ジーザ宮殿、パレルモ大聖堂、三つの教会、アドミラル橋で構成されます。そこにチェファル大聖堂とモンレアーレ大聖堂が加わります。地理的な広がりそのものが重要で、パレルモの一つの記念物に別の二つを付け足したものではなく、シチリア北部を横断する文化の記録です。
特徴は、西欧、イスラム、ビザンティンの形態、構造、素材、装飾を意図的に再解釈した点にあります。ユネスコは、イスラム教徒、ビザンティン人、ラテン人、ユダヤ人、ロンバルド人、フランス人の共同存立を示す証拠も評価しています。細かな表面装飾と空間構成の関係に目を向けると、テッセラによるモザイク、オプス・セクティレの床、寄木細工、彫刻、絵画、建具が、建築の価値をどのように支えているかがわかります。
構成資産には市民建築、宗教建築、土木施設が含まれるため、大聖堂の内部だけで語ることはできません。王宮とパラティーナ礼拝堂、ジーザは宮廷建築を示し、教会と大聖堂は異なる宗教空間を伝え、アドミラル橋はインフラの役割を担います。モザイクの真正性はビザンティン・モザイクの専門家によって確認されています。保護はイタリアの文化財制度のもと、政府機関と宗教団体が分担し、観光、火災、環境災害、歴史的市街地の劣化などを管理計画で扱っています。
