バース:ローマの基盤に築かれたジョージ王朝都市
異なる時代がひとつの都市景観のなかで読み取れる場所として、バースは特に分かりやすい存在です。ローマ人は天然温泉の周囲にアクアエ・スリスを築き、神殿と浴場群を整備しました。遺構は、ローマ時代の社会生活と宗教生活を伝えます。中世には重要な羊毛交易の中心となり、18世紀には洗練された温泉都市へ発展しました。ローマ時代の中心部は独立した考古遺跡ではなく、都市の後世の姿を支える基盤です。
バースを通常のローマ遺跡と区別するのは、ジョージ王朝期の都市改造です。ジョン・ウッド・シニア、ラルフ・アレン、リチャード・“ボー”・ナッシュが美しい温泉都市の構想を進め、ジョン・ウッズ親子、ロバート・アダム、トーマス・ボールドウィン、ジョン・パーマーらがパラディオ様式の考えを街路、広場、建物に応用しました。アセンブリー・ルームズとポンプ・ルームは、クイーン・スクエア、サーカス、ロイヤル・クレセントと関係し、丘と緑の谷には三日月形の建物群とテラスが広がります。重要なのは個々の正面だけでなく、都市の形です。
中世のバース修道院教会はローマ神殿と浴場の隣に立ち、都市の連続した発展を見せます。ローマ考古学とジョージ王朝期の都市計画は相当程度保たれていますが、大規模開発や交通圧力は眺望と庭園都市としての性格に影響し得ます。最寄りの実用的な鉄道駅はバース・スパで、中心部は徒歩で回れます。滞在は1日が目安です。ローマン・バスなど主要施設は事前予約を推奨し、入場条件を確認してください。
