このPlaceがMapに選ばれた理由
バース市は、7か国にまたがる11の構成都市からなる単一の国際連続遺産「ヨーロッパの大温泉保養都市群」の一部です。2021年に文化遺産として、基準(ii)(iii)で登録されました。そのため、この地図では英国にある単独の温泉世界遺産として数えるのではなく、より大きなヨーロッパの物語に属する英国側の構成都市として捉えます。自然の鉱泉を中心に発展した温泉文化が、国境を越えて共有されているのです。
この遺産の核心は、療養、都市、景観の結び付きにあります。浴場、ポンプ室、飲泉施設、治療設備、列柱廊、回廊は、集会室、劇場、ホテル、邸宅、公園、遊歩道と組み合わされました。入浴や飲泉、吸入療法は、医療行為だけでなく、運動、娯楽、社交とともに温泉滞在を構成していました。バースでは、特定の建物だけでなく、街路や建築の配置、計画された余暇の場まで含めて見ることが大切です。
この連続遺産は、約1700年から1930年代に最盛期を迎えた国際的な温泉文化を記録し、医学、温泉療法、建築、デザイン、造園の交流を映し出します。都市ごとに姿は異なりますが、いずれも開発当初の目的である温泉保養の機能を現在も保っています。バース・スパ駅が実用的な鉄道玄関口で、目安は丸1日。ローマン・バスと温泉体験は別々の予約として扱います。残る10都市は英国外にあります。
モンテカティーニ・テルメは、イタリア単独の世界遺産ではなく、より大きな文化遺産を構成するイタリア側の一都市として読む場所です。「ヨーロッパの大温泉保養都市群」は2021年、基準(ii)および(iii)で登録され、7か国11都市を結んでいます。いずれも天然の鉱泉を中心に発展し、およそ1700年から1930年代までの温泉文化を最も総合的に記録する連続遺産です。
ここで価値を持つのは、特定の建物の型ではなく、都市全体の構成です。浴場、ポンプ室、飲泉施設、治療施設、列柱廊、回廊に、ホテル、邸宅、劇場、カジノ、集会施設、庭園が組み合わされました。公園、遊歩道、運動施設、森林は療養と余暇の舞台となり、水道管などのインフラが温泉経済を支えています。健康、レジャー、社交のために、建築と景観が一体で計画されたのです。
医師、建築家、デザイナー、庭園家が、鉱泉の入浴、飲泉、吸入に運動や娯楽、規則正しい一日の過ごし方を結びつけました。思想と設計が移動した歴史に関心がある人には、とくに比較しやすい登録です。ボローニャや劇場群が、通路や上演空間を軸に公共生活を組み立てるのに対し、ここでは鉱泉と温泉文化が中心です。ユネスコによれば、11都市はいずれも本来の目的のために現在も機能しています。
ヴィシーは、「ヨーロッパの大温泉保養都市群」におけるフランス側の代表的な構成資産です。国境を越える連続遺産として2021年に文化遺産へ登録され、基準(ii)(iii)が適用されています。記録には7か国11都市が含まれます。したがって、すべての歴史的温泉地を認定するものではなく、天然鉱泉を中心に形成された共通のヨーロッパ都市文化を示す登録です。
ここで重要なのは、湯、水の施設、建築、社交生活、景観が一体となった関係です。浴場、ポンプ室、飲泉ホール、治療施設、回廊、ギャラリーに加え、ホテル、ヴィラ、集会場、劇場、カジノ、庭園が温泉都市のまとまりをつくりました。「湯治」には運動や散策も組み込まれ、治療の手順と余暇、公共の場で姿を見せる社交性が結び付いていました。
そのためヴィシーは、単独の温泉建築ではなく、都市全体の保養環境として読むのが自然です。この連続遺産は、1700年頃から1930年代までの医学、温泉療法、建築、デザイン、造園における思想の交流を記録しています。境界には温泉施設、余暇施設、宿泊施設、インフラ、レクリエーション景観が含まれ、緩衝地帯は湧水の集水域や周辺環境も守ります。建物、水、公共空間のつながりそのものが意味を担う点で、一棟に価値が集中する記念建造物とは性格が異なります。