ヴェローナ――二千年を重ねた要塞都市
アディジェ川沿い、レッシーニ山地のふもとにあるヴェローナは、都市構造の連続性そのものが価値となる歴史都市です。先史時代の集落から、紀元前1世紀のローマ自治都市へ発展し、その後のローマ、 ಮಧ್ಯ世、ルネサンスの層が今も読み取れます。一人の王朝や一つの教会、単独の記念碑を中心とする遺産とは異なる都市の成り立ちです。
アディジェ川の湾曲部に位置するローマ都市には、ポルタ・ボルサリ、ポルタ・レオーニの遺構、ガーヴィの凱旋門、ピエトラ橋、ローマ劇場、円形闘技場アレーナなど、古代の遺構がまとまって残ります。中世以降の市街には、スカリジェリ家の城壁、エルベ広場、シニョーリ広場、ブラ広場が加わります。市庁舎、政庁、評議会のロッジア、スカリジェレの霊廟、ドムス・ノーヴァが歴史中心部を構成し、広場の変遷から市民都市の発展を追えます。
ヴェローナの特色は、要塞都市の計画と複数の芸術時代が共存する点にあります。スカリジェリ家は川の西岸の領域と東岸を囲むように城壁を拡張しました。その防御構造は、後の工業化や鉄道開発が別の場所で進むなか、歴史都市のまとまりを保つ助けとなりました。戦時中に大きな被害を受けたものの、1946年の復興計画は元の構造を維持しました。2000年、基準(ii)(iv)で登録。ローマ遺跡巡りではなく、都市そのものの記録として歩くと理解しやすい遺産です。
