ランス――ゴシック芸術と戴冠式の舞台
ランスの登録対象は、ノートルダム大聖堂だけではありません。大聖堂、トー宮殿、旧サン=レミ修道院が、フランス王権と戴冠式、そして聖なる機能と公的権威の結びつきを伝える一つの複合体を成しています。大聖堂では、13世紀のゴシック建築技術と彫刻装飾が別々の要素ではなく、統合された構成として展開されています。王の儀礼を支えた空間まで含めて見ることで、建物の意味が広がります。
シャルトルとの違いを考えると理解しやすいでしょう。シャルトルが初期ゴシック宗教建築の、極めて統一された完成形として示されるのに対し、ランスは王の戴冠をめぐる空間と儀礼を加えています。隣接するトー宮殿には、宮廷礼拝堂と宴会場があり、戴冠式にまつわる記憶を保存しています。館内の「ランス大聖堂美術館」には、歴代の戴冠式に関連する宝物や美術作品が収められています。旧王立ベネディクト会派のサン=レミ修道院も、別の建築的・儀礼的な層を加えます。
西正面の彫刻、ステンドグラス、戴冠式の舞台としての痕跡を追ってみてください。修道院には9世紀の身廊、参事会室のロマネスク彫刻、18世紀の建築が残り、宮殿には17世紀のファサードがあります。複合体の一部は第一次世界大戦で大きな損傷を受け、修復されました。現在の景観は、歴史の連続性と、修復・再建の層が同時に見える場所です。

